フードストーリー


創業は1899年。中国人留学生のための“郷土料理店”から
まずは〈維新號〉の歴史や変遷などについて教えてください。
高橋さん:明治20年頃に20代で単身来日し、横浜の羅紗専門店で働いていた創業者の鄭余生が、明治32年(1899年)に外国人の居住地以外の内地雑居が可能になったのを機に、東京の神田今川小路で中国の留学生を相手にした簡単な“郷土料理店”を開いたのが始まりです。
最初は中国人向けのお店だったんですね。
高橋さん:日本で中国料理を食べる機会がなかった留学生たちが故郷の味を求めて訪れることで、お店は賑わいを見せていました。その留学生の中には、後に名を成すことになる若き日の周恩来や蒋介石、魯迅などの姿もあったそうですよ。

高橋さん:大正中期頃まではそんな留学生を相手にしたお店でしたが、時代の流れとともに留学生の数が激減したのを境に、日本人に向けた中国料理店に変わっていきました。昭和20年に終戦を迎えると、以前のようにお店の営業を続けられなくなり、一度閉店。そして昭和22年に、肉まんを中心とした中華まんじゅうの専門店として銀座で再び営業を始めました。
戦後に生まれた肉まんが、今なお続くお店の看板商品
どうして、中華まんじゅうに活路を見出したんですか?
高橋さん:戦後で食糧も少ない中、おまんじゅうなら1個で手軽にお腹を満たすことができるからです。そしてもうひとつ、食材の入手が困難になる中でも、我々の手元には高級食材が残っていたことも大きな理由ですね。戦時中にお店をたたむことになった貝柱やフカヒレの卸業者から、それまでお世話になってきた恩もあり、余った食材を大量に買い取っていたんです。
なるほど。その食材を活用して、ということですね。
高橋さん:はい。良い食材はあるのに、満足に料理を作ることも販売することもできない、そんな状態から試行錯誤し、行き着いたのが肉まんでした。その味わいは好評を博し、肉まんは大人気に。現在もご愛顧いただいている主力商品が誕生したという意味でも、この時期の方向転換はブランドとしての最大のターニングポイントです。

商品作りにおいて、ブランドとして大切にしていることは何ですか?
高橋さん:選び抜かれた素材と手作りによる味にこだわりを持ち、「物づくりの精神」と「味や素材を大切にする心」を大切にしています。良い素材を選び、修業を重ねた職人がそれを使って丹精込めて作り、お客様に提供する。それが創業以来変わらない〈維新號〉の理念です。扱う商品が変わっても、その思いはずっと変わりません。
自慢の肉まんは、皮もふんわり。味の決め手は貝柱のスープ
看板商品「肉まん」の特徴について詳しく教えてください。
高橋さん:生地の伸ばしから成型、中身の餡を包み、蒸し上げるまで、すべて熟練の職人による丁寧な手作業で行っていること。そして、弾力に富んでいてキメが細かく、ツヤがある、皮のおいしさこそが弊社のおまんじゅうの最大の魅力だと思っています。

高橋さん:皮はふんわりとしながらコシがあり、噛みしめるとほんのりとした甘みがあるのが特徴です。生地の出来を左右する発酵にもこだわっていて、皮をふっくらさせるためのイースト菌が最も活躍しやすく、皮をちょうど良くふくらませることができる、温度30℃・湿度80%という高温多湿の過酷な環境下で、職人が目を光らせながら生地の発酵を行うことでおいしい生地ができあがります。
当然ながら、中身の餡にもこだわりが。
高橋さん:もちろんです!使用しているのは、旨みたっぷりの豚肩肉。味の決め手は北海道産乾燥貝柱の出汁から作ったスープで、旨味調味料などは使っていません。醤油と砂糖、そして貝柱の出汁で味を整えた餡は、薄味なのにコクがある、やさしい味わいが特徴。時代に合わせて少しずつ変化は加えていますが、貝柱から出汁をとることなど、主となる製法やレシピは商品開発当時のものを受け継いでいます。サイズも大ぶりで、食べごたえも十分ですよ。

あんまんもシューマイも絶品。肉まんとセットで贈り物に
では、お歳暮のおすすめ商品の紹介をお願いします。
高橋さん:肉まんとあんまん、そしてシューマイが入ったこちらの詰合せです。
商品はこちら[東急百貨店ネットショッピング お歳暮2026]
〈維新號(いしんごう)〉肉まん・あんまん・シューマイ詰合せ
〈税込〉4,644円
※こちらの商品は「東急百貨店ネットショッピング」お歳暮の商品です。

パッケージのイラストもかわいいですね。
高橋さん:社内では「笛吹き童子」と呼ばれていて、戦後におまんじゅうを売り出した頃から使われているイラストです。レストランで使われる湯呑みやお皿、店内の装飾にもこのイラストが描かれている、弊社のアイコン的存在ですね。
箱も中身も存在感がすごい!肉まんとあんまんは皮の形状も色も異なりますが、どんな違いが?
高橋さん:見た目は違いますが、生地自体はどちらも同じもので、発酵の時間を少し変えています。発酵が進むと肉まんの皮のように黄色っぽくなり、少し気泡が出たような見た目になるのですが、あんまんは発酵が進む一段階の前の状態で包んでいるので、白いままでツルッとした見た目に仕上がるんです。

同じ生地でも、発酵のさせ方で見た目がこんなに変わるんですね。
高橋さん:そうなんです。生地の食べ比べも楽しいと思いますよ。中身のあんこには北海道産の大納言小豆を使っていて、焦げつかないように混ぜながら、自家製の銅鍋でコトコト煮込んで作ります。そして漆黒の色合いにするために、炭を入れて色付けを。

高橋さん:中華のあんこはラードが入っているのも特徴で、ねっとりとしていてコクがあるのが和菓子のあんことの違いですね。でも、コクがありながらもしつこくないバランスで、やさしい甘さに仕上げています。
シューマイもおいしそうです。こちらにはどんなこだわりが?
高橋さん:肉まんと同じく豚肩肉を使っていますが、大きな刃と細かい刃で挽いた2種類の挽き肉をミックスしているのがポイントです。それを潰さないように、肉と肉の間に隙間を作るようにしながらキャベツや玉葱などの具材と混ぜることで、ふんわりとした食感を生み出しています。

高橋さん:味付けも肉まんと同様に、醤油と砂糖、貝柱の出汁で。そして貝柱自体も具材に加えています。味は強すぎることなく、食べやすく上品。包む皮も自社製のものを使っています。
3種類のおいしい食べ方も教えてください。
高橋さん:肉まんは電子レンジでも温められますが、皮のしっとり感や弾力は蒸気によって甦るので、手間かもしれませんが、よりおいしくお召し上がりいただくためには蒸し器を使って蒸すことを推奨しています(あんまんは電子レンジ不可)。濃すぎず上品な薄味をモットーにしていますので、基本は何も付けずにお召し上がりください。シューマイも醤油などは無しでOKです。まずはそのまま食べて、そのものの味をお楽しみいただければ。

それでは最後に、お客様へのメッセージをお願いします!
高橋さん:味と素材にこだわった肉まん、あんまん、シューマイを、作ってすぐに冷蔵してお届けします。冷凍ではなく冷蔵なので、自慢の生地の風味も損なわれることがありません。ぜひこの機会に、贈り物として、そしてご自宅用としてご用命ください!
商品はこちら[東急百貨店ネットショッピング お歳暮2026]
〈維新號(いしんごう)〉肉まん・あんまん・シューマイ詰合せ
〈税込〉4,644円
※こちらの商品は「東急百貨店ネットショッピング」お歳暮の商品です。








答えてくれたのはこの人
高橋幸一さん