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定番の炙り焼きも、毎年改良を繰り返す。手間ひまかけた〈桂新堂〉のえびせんべいは“えび愛”の結晶

えびせんべいの定番としておなじみの〈桂新堂〉からご紹介するのは、中身もパッケージも夏仕様の詰め合わせ。定番品ながら進化を止めない一番人気の「赤えび炙り焼き」へのこだわり、職人技で手間ひまかけて作られる3種の姿焼きの魅力、さらに、あふれる“えび愛”と「えびせんべいを贈ることの意味」に至るまで、桂新堂株式会社の祢津(ねつ)さんにたっぷりと語っていただきました。
今年で創業160周年!贈答用えびせんべいの定番〈桂新堂〉

おなじみではありますが、改めて〈桂新堂〉の紹介からお願いします。
祢津さん:〈桂新堂〉の歴史は、幕末で日本が揺れた1866年(慶応2年)までさかのぼります。初代 光田慶助が伊勢湾に面する愛知県知多半島の大野(現在の常滑市)で豊富に獲れるえびに着目し、えびせんべいづくりを始めました。今年で創業160周年を迎えますが、創業当時からの創意工夫の精神をいまも受け継ぎ、最高の素材と技を追求しながら、日本の季節・歴史・文化・歳時記をお菓子に取り込んでいます。

えびせんべいというと、愛知、名古屋というイメージがすっかり浸透していますよね。
祢津さん:全国のえびせんべいの内の90%が愛知県で作られているんです。その中でも弊社は「姿焼き」や歳時記に合わせた季節の絵柄入りなど、贈答用えびせんべいのブランドとして歴史を築いてきました。
創業当初からそういった差別化が図られていたんですか?
祢津さん:当初はそこまでの差別化はできていませんでしたが、7代目社長(現会長)の時代に「姿焼き」などを開発し、ギフト商品としての方向性が一気に明確になりました。そういった意味で「姿焼き」の誕生は、160年の歴史の中でも大きなターニングポイントだったかもしれません。
一番人気の「炙り焼き」。定番品でも、毎年改良を繰り返す理由とは?
〈桂新堂〉における一番人気の商品というと?
祢津さん:「赤えび炙り焼き」です!「炙り焼き」は桂新堂の定番商品で、濃厚なえびの旨みをぎゅっと凝縮した人気のえびせんべいですが、甘えびやぼたんえび、芝えびなど9種類ある中から一番人気を決める「炙り焼き総選挙」を昨年開催し、特に濃厚な旨みと香りが特徴である「赤えび炙り焼き」が堂々の1位に輝きました。

味わいや製法などは発売当初から変わらないんですか?
祢津さん:えびのミンチで作ったせんべいを乾燥させ、2度焼きするといった工程や製法は変わりませんが、1986年に誕生して以降、幾度となく改良と進化を重ねてきました。特に2021年からは毎年改良を行うほど、おいしさを追及し続けています。
少し意外です。定番の人気商品の味を変えることにはリスクもあるのでは?
祢津さん:そうですね、定番商品の味を変えるというのはなかなか勇気のいることで、大きな変革になりますが、きっかけとなったのはコロナ禍でした。百貨店なども休業し、お客様も自粛生活を強いられ、我々の営業もままならない中、〈桂新堂〉が成長するために何をしていくべきかと考えたとき、その期間を単純な休みにするのではなく、さらにおいしくするための改良期間に充てたんです。
なるほど。実際に味はかなり大きく変わったんですか?
祢津さん:2021年の改良時には、ガラッと大きく変わりました。えびの濃厚な風味をより感じていただけるようになりましたし、元々ご年輩のお客様からは堅すぎるという声をいただいていましたので、食感も軽いものに変えました。
そんな変化や改良が2021年からは毎年行われていると。
祢津さん:はい。中でも2025年6月に実施した改良では、弊社の長年の経験と技術力、そして数々の挑戦を礎に、味・香り・食感、すべてにおいて更なる高みを目指した「赤えび炙り焼き」が誕生しました。改良の鍵となったのは「開封した瞬間から鼻孔をくすぐる、えびの濃厚な香り」。えび特有の雑味を抑える製法で実現した、焼きたてのえびの塩焼きのような香りと豊かな旨みで“食べ終えた後も余韻が心に残る”、そんな味わう楽しみを追及しました。

2025年に、ついに完成形に辿り着いたんですね。
祢津さん:いえ…今年も改良が行われる予定です。毎年「完成形ができた」と言っているんです(笑)。進化は止まりません!
ちなみに社長が現在の8代目に変わってからは、より間口を広げて若い方にも注目していただけるように、「パクチー味」や「激辛カレー味」「ごま担々味」なども販売するようになりました。そういった方向の進化も遂げていますよ。
背筋のピンと伸びたえびの「姿焼き」は職人の手作業のなせる技

贈り物にえびせんべいを選ぶ意味とは?
祢津さん:「姿焼き」は豪華な尾頭付きで赤みも美しく、ピンとした背すじには長寿や健康のイメージもあるので、おめでたいシーンでお使いいただくことも多いのですが、そもそもえびは、腰が曲がった姿や長いヒゲで長寿の象徴とされたり、飛び跳ねる姿が運気上昇に重ねられたり、赤い色は魔除けの色だったりと、プラスの意味合いもたくさんあります。
たしかに、えびは縁起物の定番です。
祢津さん:和菓子も洋菓子もいろいろな商品がある中で、えびせんべいはとてもニッチなお菓子かもしれませんが…実はギフトにぴったりの要素がたくさんあるので、改めてそれを伝えていくことで“えびせんべいを贈る意味”を広めていけたらと思っています。そして、お祝いごとのそばにいつも桂新堂のえびせんべいが寄り添っている、という光景が当たり前になればうれしいですね。

今回紹介した商品はこちら[東急百貨店ネットショッピング お中元2026]
〈桂新堂〉夏のえび物語
〈税込〉5,400円
※こちらの商品は「東急百貨店ネットショッピング」お中元の商品です。
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答えてくれたのはこの人
祢津麻美恵さん